原田コラム

2010/03/15

マンダリンガーネット ダイヤモンドリング

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

Mandarin Garnet 正面アップ

裸石からのオートクチュールのジュエリーが出来上がりました。
お客様の了解をいただいたので、ブログにアップします。

6カラットサイズMandarin Garnet

ガーネットには無色から虹の七色までブルー以外の殆どの色が存在します。
その中で、みかんのような色のガーネットをトレードネームで「マンダリンガーネット」と呼びます。
鮮やかなオレンジのガーネットが市場にまとまって登場したのは1992年のことで、比較的新しい宝石です。

当初の産地はアフリカのナミビアで、彩度の非常に高いオレンジ色を産出しました。
但し、インクルージョン(内包物)が多いのも特徴で、透明度が高くないものが殆どでした。
残念ながら現在は、ナミビアからの産出は僅かです。
代わって登場したのがナイジェリア産です。
ナイジェリア産のマンダリンガーネットはナミビア産に彩度は及びませんが、透明度が高いのが特徴です。
研磨はドイツのイーダーオーバーシュタインです。

この6カラットサイズのナイジェリア産のガーネットは、透明度が高いことは言うに及ばず、珍しく彩度も高い稀有な品質です。

私の仕事は、宝石の美しさを引き出し、流行に左右されないスタイルに仕立て上げることです。

構想のポイントをいくつかご紹介します。

Mandarin Garnet 1

まずメインストンが比較的大きいのに対して、お客様の指のサイズが9番に満たない事から、華やかさを演出するダイヤモンドを多く使うことが出来ません。
メインストンの大きさを際立たせる控えめなサイドストンを採用しました。

Mandarin Garnet サイドアップ

イエローゴールドの爪でセットすることで、彩度の高いオレンジ色に味わいを与えました。
上から見るとガーネットだけが浮かび上がるように下方に絞り込まれた4本の爪は、強弱がつけられて伸びやかさを感じさせます。
ダイヤモンドの先端から伸びた爪が、アッパーベゼルとローワーベゼルの間に開けた大きな空間をバランスよく分断して強度も確保しました。

Mandarin Garnet サイドストン

変形トライアングルシェイプのダイヤモンドは、メインストンのオーバル輪郭に応じて弧を描いているものを選びました。
ダイヤモンドでは外側に丸いものは一般的ですが、内側に弧を描いているものは稀です。

Mandarin Garnet エッジ

ダイヤモンドの先端を袋状の爪で覆い、先端の延長線のリングの腕(シャンク)に峰を立てることによって違和感なくよりシャープな印象に仕上げました。
白いプラチナが無色のダイヤモンドの透明度を強調します。

Mandarin Garnet 仕上げ

宝石の裏側の外から見えない部分のプラチナもピカピカに仕上げることで、宝石をより輝かせ完成度を上げました。
Mandarin Garnet 指なじみ

指なじみには、セットされた宝石の形を模った空間を開けました。

Mandarin Garnet 5

太陽が背後から照らした写真です。
まさに日の出の太陽のような眩しさを感じるリングです。