原田コラム

2009/02/05

プロの道具箱

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

私が日常使っている道具を何回かに渡ってご紹介します。

まず、毎日必ず使っているルーペをご紹介します。

ルーペ3種

基本的にはこの3つを所有しています。
全て10倍です。

下からRubin社のレンズの直径18ミリのもの。
これは、外出用です。
常にかばんの中に入れておきます。
諏訪貿易の社員の標準ルーペでもあります。

愛用のルーペ

真ん中(上の写真)は、同じくRubin社のレンズの直径21ミリのもの。
もう15年以上使っています。
私は人よりも手が大きいので、このサイズが一番手に馴染みます。
また、一度により広い視野を確保できるのも魅力です。
何度か新しいものもにトライしましたが、毎回このルーペに戻ってしまいます。
ルーペ性能よりも慣れだと思います。
ボロボロですが、世界中一緒に旅した相棒です。
これからも大事に使います。
ルーペの故障は、はと目部分のかしめが外れて壊れることが殆どです。
一般的には、この部分の修理は難しいようです。
メーカーさんの改良を期待します。

一番奥のルーペは、ルーペ界のポルシェTriplet Hawkです。
ポルシェデザインのようなお洒落なフォルムに高性能なレンズを搭載しています。
残念ながら、あまり使っていません。
新しいポルシェより中古のセダンの方があっているようです。
このルーペのことは、以前のブログに詳細を載せていますので、興味のある方はご覧下さい。
ルーペのポルシェ

その他にLED付きルーペ等の変り種もあります。
LED付きルーペ

かつては、20倍のルーペも持っていましたが、焦点距離が短く使い物になりませんでした。
ダイヤモンドのVVSが見えることに拘っている方は、一流レンズメーカーのものなどの高性能なルーペが必要でしょうが、私にとってルーペは手に馴染んだものが一番です。

美しさは一般の方と同じように肉眼で判断します。
ルーペは、プロが肉眼で見えない不完全性が「特徴」なのか「欠点」なのかを見極めるために用います。
その判断だけなら、むしろ10倍も要らないぐらいです。

宝石を見るときは、まず肉眼で美しさを確認してください。
ルーペを使うと専門家らしく見えますが、初めからルーペで覗くのはプロではありません。