原田コラム

2008/10/01

5カラット ハートシェイプ ダイヤモンド リング

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

ルースの次はオートクチュールジュエリーの醍醐味を味わって下さい。
依頼主の意向で、シャンク(リングの腕)はパヴェになりました。
ハート好きのお客様にベゼル(石座)をハートシェイプで構成するプレゼントをしました。

5ct HS Ring Front

約12×12ミリと言う堂々としたサイズのハートシェイプのダイヤモンドがまるで指の上に浮いているようにセッティングされたメインストンリングです。
メインストンの両脇はイーグルクロウ(鷲爪)、先端は小さな袋状の爪で保護しつつバランスの良いハートの形を崩さないようにセッティングしました。

5ct HS Ring Side1

ベゼル(石座)を左右のシャンク(腕)だけで支えることでハートが空中に浮いている印象を与えています。
シャンク(腕)にはメレーダイヤモンドをパヴェセッティング(彫り留め)して華やかさを演出しました。

5ct HS Ring Side2

メレーダイヤがビーズセッティング(彫り留め)された3つのハートでベゼル(石座)を構成し、遊び心を加えました。
パヴェセッティングの裏側は四角にアジュール(裏取り)されてメレーダイヤモンドを更に輝かせます。

写真では分かりませんが、シャンク(腕)は僅かにカーブしてベゼル(石座)を支えています。
真っ直ぐでは出ない味わいが出ました。

ハートシェイプが甘くなりすぎないように精度の高い加工に留意しました。

全幅の信頼を寄せていただいた依頼者のために最高の宝石、最高のディレクション、最高の加工を目指してチームを組み作品を仕上げました。
チームのメンバーの皆さん、ありがとうございました。
これからも世界の頂点を目指して行きましょう。

現物を見ていただけないのが残念ですが、僅かでも写真から感じていただけたら幸いです。