原田コラム

2008/06/25

テルアビブ 2008 ③

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

〇ペアーシェイプは買わない?!

ペアーシェイプリング

ペアーシェイプは、別名ドロップシェイプと呼ばれます。
雫が落ちるようなイメージから命名されています。
そのイメージからペンでペアーシェイプの理想的な形を描く場合のポイントは、写真のもののように、まず丸を書き中心から上に向かって直径の1.5~1.75倍の位置に点を打ち、そこから円の左右の端に向かって僅かに弧を描いた線で結べば出来上がりです。

ファンシーシェイプ 肩の張ったものとの比較

2つのペアーシェイプを並べて比較してみましょう。
左は、綺麗な丸が描かれていないために肩が張っています。
裸石でも優雅さがありませんが、通常は肩に爪をかけるのでジュエリーに仕立てたときにまるで三角のようになってしまいます。
このタイプは、買いません。
右のペアーシェイプは綺麗に円が描かれています。
因みに幅と長さの比率は、1:1.6です。

この比率は大きさと用途によって適正なものが異なります。
小粒のものは、1:1.5未満になるとペアーシェイプの形が分かり辛くなりますので、少し長めのものの方が輪郭が綺麗に出ます。
反対に大粒のものは、少し太めでもおおらかさが出て魅力が出る場合もあります。
一番上の写真でジュエリーに使われているものは、3カラットサイズの非常に美しい形です。
この比率は1:1.55です。

また、ペアーシェイプの名前どおりに太めをペアー(洋ナシ)シェイプと呼び、細めをドロップ(雫)シェイプと呼んで分けている人もいます。

ペアーシェイプの輪郭の膨らみ具合

前回のブログの写真にあったプラスティックの箱のロットから2つのペアーシェイプを選び出しました。
写真を撮る都合で、フェイスダウン(テーブル面を下にする)にしています。
2つともほぼ同じ長さで、幅との比率が、左1:1.45で、右1:1.55です。
1:1.5以下と以上でこれだけ印象が異なります。
実際にジュエリーを作ってみると、左のようなペアーシェイプ(洋ナシ形)より右のようなドロップシェイプ(雫形)の方が用途が広がりますので、買い付けも右のタイプが殆どです。
ペアーシェイプを買いに来てペアシェイプ(洋ナシ形)は買わないとは、何とも皮肉なものです。