原田コラム

2007/11/06

アントワープ市況 ②

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

インドが消費地とて注目されています。
今年の初めに研磨済みのダイヤモンドの輸入関税の撤廃が行われた結果、堰を切ったように各国からの輸出が始まりました。
もともとインドは、ジュエリーの伝統があり、身につける習慣がありましたのでマーケットの広がりは確実視されています。
現在起きている需要はバンガロールを中心とした南部の新しいミドル階級のものです。
インターネット等の情報によって欧米化した彼らが品質の理解を始めた結果、インドで研磨されていない、高品質のダイヤモンドの輸入が始まりました。
インドのダイヤモンドと言うと低品質なものを思い浮かべる業界の方が多いと思いますが、もともと国内向けには、インドで研磨される上澄みの品質を使っていました。
低品質は、主に米国や日本向けです。
もちろん、米国や日本は高品質なものも輸入しています。
私もインドで買い付けをしているときに、高品質のものは常にインド国内価格の壁に当たって買えないことが良くありました。
国内でしか買えない彼らと争う事は出来ませんでした。
輸入の制限がなくなったことで、素材の良い原石から研磨されている海外の研磨済みダイヤモンドの需要は伸びるでしょう。
高学歴労働者の多さと既に資本主義であることを考えると中国よりも有望なマーケットになるのではないでしょうか。