原田コラム

2007/10/30

Fancy Vivid Yellow

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

1.5ct size Fancy Vivid Yellow

また黄色の綺麗なダイヤモンドに出会ってしまいました。
1.5カラットサイズはメインストンとしては小さいのですが、あまりに綺麗なので買ってしまいました。
ブラウン味を全く感じない本当に彩度が高く、全体に色がのっている逸品です。
GIAのカラーグレードは当てにしませんが、これはVividと言えます。

最近のファンシーカラーのブームで色が十分にのっていない素材をカットの技術で濃く見せるようなものが主流ですが、このダイヤモンドは、ノーマルなカットです。
色を濃く見せる一般的な技術は、ガードルの下から垂直に近いファセットを伸ばしてカラーストンのバルジに近い溜めを作って色をのせます。
下の写真で分かるように、このダイヤモンドは全くのノーマルなブリリアントカットです。

1.5ct size Fancy Vivid Yellow pavilion

私は、見せかけか実際に濃いものか見ればわかりますが、一般の方でも分かる方法があります。
これは、サファイアやエメラルドなどの色溜まりを見るときにも用いますが、透明なガラスの容器に水を入れて宝石をフェイスダウン(テーブルを下にして)見ると分かります。
全体に色がのっている素材の良いものは、水に入れても変わりませんが、見せかけのものは本来の薄い色になります。
裸石を持っている方は試してみると面白いと思います。
但し、このペアーシェイプのダイヤモンドのような素材のものは稀なので、あまり期待をしないほうが良いと思います。