原田コラム

2007/09/21

ヒスイの選び方

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

ヒスイ 10ct size Gem Quality

ヒスイの選び方について問い合わせがありましたので、簡単にご説明します。

ヒスイは、品質の基準が分かりづらい宝石の一つです。
現物を見ないと分からない宝石の筆頭です。
透明石で無いために写真映りがよくなる傾向があります。
オークションのカタログでも、価格の差が写真になかなか現れません。

見極めの主なポイントを以下に記します。

①緑が美しい
黒味やブラウン味が感じられない

②程よい濃さ
濃さは、好みですが、クオリティースケールのトーン5、6が人気があります。

ヒスイクオリティスケール

④カボションの山が高い
品質の差が無い場合は平べったいものより、厚みがあるものがより稀少です。
下の写真の左側が山高(High Dome)で、右より稀少性が高くなります。

ヒスイ 山の高さ

⑤緑の部分が多い
裏から比較的強い光を当てて、ルーペで見て白い部分が少なく緑の部分が詰まっている。
日本では、ロウカンが重視されますが、本場の香港では緑の密度も重視します。
中華圏の宝石なので、香港の価値観が国際的には重要です。

一般的には綺麗なヒスイです。
ヒスイ 通常撮影

強いライトを下から当てて拡大してみると手前に白い部分がはっきり見えます。
ヒスイ 下からライトを当てる

⑥亀裂がない
同じく中華圏の価値観ですが、亀裂があると割れることに結びついて不吉とされ、極端に嫌われます。これも避けたほうが良いですね。
チェックの方法は⑤と同じです。
下の写真の手前に縦に伸びる亀裂が確認できます。

ヒスイの亀裂

一般的なヒスイに関する説明は「宝石1」をご覧ください。

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因みに一番上のヒスイは、10カラットサイズのGem Qualityです。

最後にヒスイの色のバラエティをご覧ください。

いろいろなヒスイ