原田コラム

2007/08/16

天然ブルートパーズ

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

Natural Blue Topaz Chameleon

これは、以前に扱った天然のブルートパーズの彫り物(カメレオン)です。
市場に出回っているブルートパーズは、殆どがカラーレス(透明)のトパーズに放射線をかけて色をつけたものです。
トパーズには、天然のブルーは存在しないと思っている方が殆どですが、この写真のように実際にあります。
但し、青味が僅かなために一般的な宝石のサイズでは殆ど無色になってしまいます。
この彫り物は、小さなマスクメロンほどの大きさです。
もちろん石なので、ずしりとした重さがあります。
天然のブルートパーズはこれだけのサイズになって、ようやく薄い水色に見える程度です。
ブルートパーズの水色はアクアマリンのように黄色味がなく爽やかですが、少し寂しげです。

私は放射線処理のブルートパーズは扱いません。
計器で規定量の残留放射能が測定されなくても、心地良くないからです。
宝石は身に着けて「心地良さ」を感じることに魅力があります。
「心地良さ」を大切にしたいと思います。
私と同じ考えの宝石店もあります。
お店で扱っているかどうか確かめるとお店の考え方が分かります。