原田コラム

2007/05/09

ロジウムメッキ

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

お問い合わせがありましたので、ロジウムメッキについて少しご説明します。

宝石にはメッキはかかりませんが、真珠やサンゴなどの有機質やトルコ石、オパール、エメラルド、ヒスイは、その工程で宝石にダメージを与える可能性があるのでメッキに向かないとされています。
これらのジュエリーにメッキを施す場合は、予め石留めの段取りをしておいてからメッキをかけます。
その後で石留めをしますので、爪の頭のメッキが剥げることもありますが、綺麗に仕上げますので、目立ちません。
そのほかの宝石の多くは、メッキでダメージを受けませんので、最後にメッキがかけられます。

ロジウムは、プラチナに比べて硬いので、プラチナに施す場合は保護のためと説明される場合がありますが、経験的に保護よりも、より白く仕上げることと、接合部分のロウ材の露出を覆ってしまう方に重点がおかれていると思います。

本来、ホワイトゴールドは黄色味が多少残りますが、最近は、割金の調整でかなり白いホワイトゴールドも開発されています。
加工が難しくなければ、今後はメッキが不要か、剥げても目立たないホワイトゴールドが多くなるかもしれません。

極論ですが、シルバーもホワイトゴールドもプラチナもロジウムメッキをかければ、見ただけでは見分けがつきません。ただし、メッキなので使っているうちに剥げる可能性があります。
特にリングやブレスレットは使っていれば、当たったり、擦れたりして剥げるのは避けられません。