原田コラム

2007/05/03

プラチナ? ホワイトゴールド? ステンレス?

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

ジュエリーの素材として白い地金の場合は、一般的にはプラチナかホワイトゴールドが使われます。
最近は、アクセサリーとの垣根が低くなり、ダイヤモンド等の宝石を留める場合でも、シルバーやステンレスが使われています。
それらの特徴は以下の通りです。

プラチナは、変色が殆どありませんが、少し黒味がかった白色です。
ホワイトゴールドは、もとがイエローゴールドなので、どうしても黄色味が残るので通常はロジウムメッキが施されます。
シルバーは、優しく美しい白色ですが、そのままでは変色します。また軟らかいので使用による磨耗も避けられません。
ステンレスは、シャープな白色で変色も少ないのですが、堅いため加工が難しい金属です。

では、宝石の装身具としては、どの素材が適当でしょうか。
色々な考え方がありますが、トレンドではなく長く使う宝石の装身具としては、修理が可能かどうかは大きなポイントと私は考えています。
シルバーの変色は、薬品等で取ることが出来ますが、リングやブレスレットのように物と当たる可能性の高い装身具の場合は磨り減ってしまいますので、高価な宝石には避けたい素材です。
ステンレスは、磨耗は少ないのですが、石取れ等の問題があった場合に爪を起こして再度倒すと硬過ぎて折れてしまうことがあります。
プラチナとホワイトゴールドは、粘りがあり、殆どの場合修理は可能です。やはり伝統的な貴金属に軍配が上がるようです。
では、プラチナとホワイトゴールド何れが良いのでしょうか。
プラチナは、ゴールドよりも比重が重いので、軽さを必要としている大きなブローチやイヤリングには不利ですが、本来メッキを必要としないので、リングのように磨耗が心配な装身具には最適です。
メッキが施されたホワイトゴールドのリングは、長く使用していると手のひら側からだんだんとメッキが剥がれて、やや黄色いホワイトゴールド本来の色が露呈します。
正しいか否かは別にして、何れ剥げると分かっているものにメッキをすると言う行為が私は、好きになれません。
一方、メッキをすると白いダイヤがいっそう白くなると言う効果がありますが、全体にかけるのはどうかと思います。
いつの日か、ダイヤの白さを引き出すために、剥げる心配のないダイヤの周りだけにメッキをかけたジュエリー作りに挑戦したいと思います。
以上の点から、大きなブローチやイヤリングを除いては、プラチナが良いと思います。
宝石が主体の装身具は、費用に占める貴金属価格の割合は大きくないので、是非プラチナを使ってもらいたいものです。
しかし、より白く又はロウ付けの跡を隠す目的でプラチナ製品の殆どにもロジウムメッキが施されています。
程度の差はあれ、メッキなので、何れは剥げてしまうのでホワイトゴールドと同じ問題を抱えています。
因みに私がプラチナのジュエリーのディレクションをするときは、メッキをかけないようにしています。