原田コラム

2014/05/20

合成ファンシーカラーダイヤモンド

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

合成ファンシーカラーダイヤモンド

最近アントワープで見た合成ファンシーカラーダイヤモンドです。
目も覚めるような鮮やかな色のダイヤモンドがゴロゴロと出てきます。
個別には天然でも極稀に存在するであろうと言うレベルの色のダイヤモンドがロットになっています。

イエローの上段の一番左と二段目の一番左はロシア製です。
その他の3個のイエローは米Gemesis社製です。
同じように見えても紫外線長波を当てると違いがはっきりします。

合成ファンシーイエローダイヤモンド蛍光

Gemesis社製は強い蛍光を発しますが、ロシア製は殆どありません。
同じ高温高圧法で作られても違いがあります。
これはダイヤモンドの発色要因である欠陥が異なるために違いが出るようです。
ダイヤモンドの発色要因と欠陥については中央宝石研究所のQ&Aが簡潔にまとめられていますのでご興味がある方はご覧ください。

ロットのピンクダイヤモンドも紫外線下で観察してみました。

合成 ファンシーピンク蛍光

目の覚めるようなオレンジ(赤)の蛍光を一様に発します。
天然のピンクの蛍光は無し~青なので紫外線の検査だけで判断は可能です。
この合成ピンクダイヤモンドは高温高圧法で作られた合成ダイヤモンドに放射線を照射した後にAnnealing(焼きなまし)を施して作ります。

最後はブルーですが、これは蛍光を発しません。
内部に金属インクルージョンが見られないことからディーラーが言う通りCVD製法で作られているのでしょう。
これに関してはラボに依頼してダイヤモンドビューTM等の特殊な検査機器を使って成長構造を見て判断するしかありません。

合成 ファンシーブルー蛍光

以上、実際に流通している合成ファンシーカラーダイヤモンドをご紹介しましたが、合成と処理を組み合わせることであらゆる色のダイヤモンドが製造可能です。
但し、鑑別に関しては熟練したラボの技術者がしかるべき検査機器を使えば可能ですのでご心配なく。
しかし、合成はあくまでも合成です。
大自然が創造したダイヤモンドとは異なります。
価値に関しては量産でコストが下がる素材と比較すること事態がナンセンスです。